精神疾患の事を、俗に「心の病」といいますが、これは果た
して正しい表現と言えるのかどうか、私は疑問に感じていま
す。

なぜなら、双極性障害や統合失調症、大うつ病などは、
「心の病気」というよりは、むしろ「脳の病気」と言った方が
正しいからです。

たとえば、アルツハイマー型認知症に対して、「そんなの
心の持ちようの問題だよ」とか「気の持ちようだよ」なんて
言う人はいません。アルツハイマー型認知症は、脳の萎縮
により起こる、純粋な「脳の病気」で、症状は精神的なもの
として現れますが、当然ながら気の持ちようでどうにかなる
問題ではありません。心じゃなくて、脳の機能が障害されて
いるんですからね。

同じように、双極性障害も統合失調症も、心じゃなくて脳の
問題なのです。ただ、アルツハイマー認知症と違うのは、
「原因となる脳の変化が、まだよく分かっていない」という
点です。

こう説明してもまだ、「でも、発症する時はストレスが関係
していたりするし、やっぱり心の問題だよね」と言う人がい
ます(そんなに「心の病」にしたいのか?(笑))。

しかしそんな事を言ったら、胃潰瘍や皮膚疾患、高血圧や
心筋梗塞だって、ストレスで発症してストレスで悪化します。
だからと言って、胃潰瘍の人に「そんなの心の持ちようだよ」
と言って終わり、なんて人はいませんよね(笑)。

もちろん、原因となったストレスを取り除く事は必要ですが、
症状が出た箇所の治療もしなくてはならないのは、当然の
事です。双極性障害を始めとする、精神疾患も同じ事です。
ストレスマネジメントやカウンセリングはもちろんですが、
それだけではなかなか治りません。

ストレスはきっかけに過ぎません。なので、ストレスを取り
除いただけで治るかというと、それは難しいでしょう。上に
書いた胃潰瘍や心筋梗塞が、ストレスさえ除けば治るか、
というと、多分それは難しいのと同じ事です(逆に、薬だけで
精神疾患を治すのが難しい事も、上記のような疾患に置き
換えても分かる事でしょう)。

こういうと、「精神疾患なんて昔はなかったのに、あれこれ
理屈をつけて病気にしてしまってるだけなんじゃないの?」と
いう人がいます。そんなに精神疾患をないものにしたいん
でしょうか(笑)。

実は、アルツハイマー型認知症の病気の概念ができたのは
割と最近なんですが、双極性障害は、はるか紀元前、ヒポ
クラテスの時代には既にこのような病気がある事が記録され
ていたのです。疾患の概念は、2000年以上前からもうあった
のですよ。

最近ぽっと出の病気ではないのです。2000年以上も前から、
この病気で苦しむ患者や家族はいたのですよ。

という訳で、
1. 双極性障害は心の病気じゃないよ
2. ストレスは発症のきっかけに過ぎず、問題は脳にあるよ
3. 最近ぽっと出た病気じゃなく、2000年以上も前からある
 病気だよ

という事を、もっとアピールする必要があるのではないかと、
最近強く感じる次第です。 にほんブログ村 メンタルヘルスブログ 躁うつ病(双極性障害)へ
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君は愛されるため生まれた

まず小麦粉を炒めます

comment iconコメント ( 2 )

私も同じ意見です。よくぞ言ってくださいました。私が考えていることがここまで完璧にまとめられているテキストを初めて見ました。

名前: 香蕗 [Edit] 2016-11-10 19:17

>>香蕗さん

コメントありがとうございます。

私の職場は幸いにして?病院ですので、まあまあ
理解はある方だと思いますが、記事に書いたような
事は、なかなか分かってもらえない事が多いのでは
ないかと思い、書いてみました。

またお気軽にコメントしてくださいね。

名前: [Edit] 2016-11-10 19:58

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