最近は、インターネット環境の発達で、ひと昔前であれば専門職や技術職でないと知らない言葉が、一般の人々にもよく知られるようになってきていますね。医療においても例外ではありません。

例えば、「アスペルガー症候群」や「ADHD」など、以前は医療職でないと知らない言葉でしたが、今では広く一般に知られているように思います(が、「双極性障害」という言葉は、医療職でも精神科以外ならば知らない人が多い。実話)。

ただ、知られるようになったはいいんですが、本来の意味と違う、「雰囲気だけ」の使われ方をするのはいかがなものか、というような感じもしています。

例えば、会話で少し場にそぐわない発言をしたら、「お前アスペなんじゃないか」とか、ちょっと落ち着きのない人に「ADHDだな」とか。こんな使われ方をしたら、アスペルガー症候群の人とか、ADHDで苦労している人なんかは、たまったものではありませんよね。「よく知りもしないのに、一緒にするな!」と怒られそうです。

あるいは、気分がちょっとハイになっている人が、「今日ちょっと躁状態で」なんていう発言も、少々いかがなものかと思います。一般の方からすると、躁状態=ハイテンション(この「ハイテンション」という言葉が私は好きではないのだが)くらいの認識でしょうが、躁状態というのが、どれほど恐ろしいものかは、双極性障害の人なら分かるはず。「たかが気分がちょっといいような状態を、躁状態とかふざけるんじゃねえ!」と言われてもおかしくありません。

おかしな事に、こういうおかしな使われ方をするのは、精神科領域の言葉だけのように思います(他にも「妄想」とか「多重人格」とか……)。例えば、少し手が不器用な人に対して、「お前脳梗塞なんじゃないか」とか、つまづき癖がある人に対して、「パーキンソンだな」なんて言ったりはしません。そんな事言ったら、人権問題にかかわりますよね。

あまり言葉に過剰に反応するのも考え物ですが、言葉だけが独り歩きするのではなく、その言葉の本当の意味や、そういう症状の人の辛さというものも、もう少し広まっていいんではないかと思うのです。上で「医療職でも双極性障害の名前を知らない」と書きましたが、驚く事に医療職であっても、「躁状態なら元気って事だから、別にいいんじゃない?」なんて人も存在します。

情報があふれて錯綜する現代だからこそ、ネットで拾った言葉を未消化なまま、適当な意味で使うのではなく、一人一人がその言葉を本当に理解し、正しい使い方をしていくある意味の「自制心」が必要なのではないでしょうか。 にほんブログ村 メンタルヘルスブログ 躁うつ病(双極性障害)へ
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comment iconコメント ( 2 )

初めまして、
同感、共感 です。
素晴らしい内容!

名前: まつ [Edit] 2017-06-26 21:00

>>まつさん

初めまして。コメントありがとうございます。
以前どこかで、「空気読めない事を『アスペ』と
言う人が結構いるが、これはいかがなものか」と
いう内容の記事を読んだ事がありまして、「本当に
そうだなあ」と思ったので、私も書いてみました。

またぜひお越しくださいね。

名前: [Edit] 2017-06-27 08:04

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